ほっきょんのブログ

ギャルゲレビュー用。★★★☆以上で名作

ギャルゲレビューその9;彩のラブソングの感想

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どうもこんばんわ。ほっきょんです。

今回紹介する作品はコチラ。

正式名称は「ときめきメモリアルドラマシリーズ Vol.2 彩のラブソング

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オススメ度:★★★★(物語の制約を最大限に活かした名作)

難易度:☆☆☆(ほぼ間違いなくグッドエンディングを迎えられる)

雰囲気:やや重め

プレイ時間:10時間

https://www.jp.playstation.com/software/title/slpm87302.html

 

個人的に最も完成度が高いと思っているギャルゲ。

インターネット上にこのゲームの紹介を書いているブログが存在しないので、今回はかなりしっかりと紹介します。

 

登場人物

主人公(デフォルトネーム無し)

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本作の主人公。ギャルゲの主人公の一枚絵を探す難易度高すぎないか?

きらめき高校で最も人気なアマチュアバンド「彩」のギターと作曲を担当している。ちなみに「いろどり」と読む。

 

ひと昔前のギャルゲの主人公にありがちうざったい前髪で目を隠している」「異性からの好意に超鈍感」「とりたてて何も特徴がない」のうち、前者二つの特徴を持っている見た目だけは割とどこにでもいるような主人公。

ただそこらへんのギャルゲの主人公とは異なり、作曲に対する情熱は人一倍持っているようで、良くも悪くもこの思想に対してプレイヤーが納得できるかどうかで評価がどうしても分かれる。

 

 

片桐彩子(かたぎり あやこ)

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本作のヒロイン。

美術部に所属。歌が上手で、ボーカル不在のバンド「彩」からボーカルの勧誘を受けている。

 

この作品、ときめきメモリアルの人気投票で2位に入った彼女のために作られた彼女のための作品なのだが、物語開始時点で主人公と片桐彩子知り合ってすらいない

その上、序盤は主人公と結構すれ違うので、なかなかエンジン掛からず普通にバンドの他の女の子に流されそうになる

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初会話シーン。曲作りで悩んでいる主人公に対し「ふ〜ん、曲作りってつまらないのね」とか言って立ち去る。一応のゲームプレイヤーが作曲するので普通にあったまる。

  

性格はもうどうしようもないくらいマイペースで自分が楽しいことをやって、相手も楽しかったら良いし、楽しくなかったら芸術の方向性が違うよねで済ませてしまうようなタイプ。

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初めて一緒に下校した帰り道に夕日を眺めるのだが、当たり前のように隣で居眠りする

 

今回の作品は最高評価の★★★★としているが、ヒロインの可愛さや性格で好きな女の子を選ぶようなプレイヤーだと、大抵の場合後述の女の子を攻略出来ない事に対してキレるので低評価になりがち。

 

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美咲鈴音(みさき すずね)

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「彩」のキーボード担当で、唯一の後輩。あれ、メインヒロインより可愛くね?

 

健常者ならゲーム開始3分で、「あ、こいつ主人公のこと好きなんやな」と分かるくらい主人公のことを慕っている健気な女の子。いうまでも無いかもしれないが、主人公はそのことに全く気づかない。

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画像はバンド練習の帰り道。彼女の表情に対し、主人公は彼女の気持ちにまるで気づいていない。

 

このゲームどうやっても片桐彩子しか攻略することができないのだが、肝心のヒロインが中盤に入らないと物語に絡んでこないので序盤はひたすら彼女が主人公と仲良くする。そのため大半のブヒりたいだけのギャルゲーマーから美咲鈴音を選ばないのはプレミと言われている。

 

はっきり言ってしまう、主人公の心情を追うと主人公が彼女のことを好きになる可能性は全く無い。主人公が作曲で悩んでいるときに「先輩の曲、大好きだから自信持ってください」みたいなありきたりな言葉で励ますのではなく、「今回の曲つまらないですね。気分転換してみませんか?」とか言ってたら間違いなくワンチャンあった

 

 

大沢巧実(おおさわ たくみ)

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「彩」のベース担当バンドの顔。一枚絵からも読み取れるがめっちゃモテる。 

あ〜〜ちょっと昔のバンドマンってこんな感じだわ〜〜って見た目で、勿論チャラチャラしている。当然のように演奏テクニックは一流。ライブでは曲の良し悪しよりもバンド全体の演奏の練度を重視している。そのため作曲担当の主人公とは音楽の方向性で対立する

 

こういうキャラクターが出ることから想像がつくかもしれないが、今回は恋愛がらみでバンドが崩壊する

 

 

田村康司(たむら こうじ)

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 「彩」のドラム担当で実質的なリーダー

容姿からも想像できると思うが、ストーリーに絡んでこない空気キャラ。だがめっちゃ良いヤツ。多分バンドの練習中に顔面を殴っても「おいおいどうしたんだよ、何かあったなら話は聞くぜ」みたいな感じのことを言ってそうで怒るところを想像できない

 

 

ストーリー

例によって公式から引用しようと思ったんですが、公式サイトが死滅していました

書いていたら普通に長くなったので読むのが面倒な人向けに某wikiからの引用。

校内でも人気のアマチュアバンド「彩」(いろどり)のギタリストである主人公は、文化祭で演奏するための新曲の創作に励んでいた。

自分の曲に日々満たされない何かを感じていた中で、校舎の屋上で偶然出会った少女・片桐彩子の一言が、彼の作曲に大きな影響を与えることになり…… 

 

以下、今更プレイステーションでしかできないゲームをやる人がいるとも思えないので普通にネタバレします

序盤

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校内で人気のアマチュアバンド「彩」は三週間後に控えた文化祭のバンドコンテストに向けて練習に励む毎日。最初に言っておくが、このバンド普通にレベルが高いようで具体的にはバッドエンドでも当たり前のようにコンテストで優勝するほど。

 

ただ主人公は自身が作曲するバンドコンテスト用の新曲の出来に不満の模様。

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歌詞を考えている途中、本作のヒロイン片桐彩子「お前の曲つまんな」と真顔で言われる。主人公はこの言葉を聞いてスランプに陥ってしまう。

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あまりのヘラりっぷりにバンド練習にも普通に影響し、バンドの後輩の女の子から「先輩の曲大好きですから自信持ってください」と涙ながらに訴えられる始末。

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もちろん彼女の気持ちには気づいていない

中盤

なんだかんだ「お前の曲つまんな」と言われた言葉の真意が気になりつつある主人公。

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バンドコンテストまで10日になったある日、涙を流しながら教室を出て行く彼女を見かける。主人公は知らないが、彼女はパリに留学するため転校の手続きをこの日済ませて感傷的になっていた

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泣いていた彼女が気になりすぎて、バンドの練習後に彼女が所属する美術室まで単身で乗り込む主人公。

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中盤に入って漸く互いのことを自己紹介する主人公は作曲について、片桐彩子は水彩画についてスランプである事を知り気分転換に一緒に下校することになる。

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一緒に夕日を眺める。彼女は夕日がこの前ダメにしたブルーのワンピースに見えると言う。夕日を眺めながら過去の自分を振り返っている途中、新曲のインスピレーションが湧いてきた模様f:id:hokkyo:20181224181558p:plain

彼女はどうやら作曲している主人公を黙って見ていたら居眠りしてしまった模様。こう言う人間なんだなと思うと普通に可愛く感じてくる

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帰り道に発生する実質このゲーム最初の選択肢

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また会ってくれるかな…という主人公にもちろんよと言って投げキッスする片桐彩子主人公はたったの数時間で恋に落ちる

 

以後、新曲の作曲を続けながら、片桐彩子との関係性を深めていく。

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作曲画面。いくつかある譜面から正しい譜面を選ぶだけなのだが、普通に難しい

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今までバンドの後輩の女の子と下校していたのが嘘みたいに毎日片桐彩子と下校する。

彼女の好きなこと、小さい頃の話、学校での出来事、初恋の話…一日に聞けることは限られているので、明日彼女に会うのが楽しみで仕方なくなる

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いつしか気がつけば主人公の隣に片桐彩子がいるようになる。

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陽射しがビルに反射して 誰かの時計で跳ねた
恋人たちの交差点 似ている背中を見付けたの

作詞を始めた彼女。いつかこの詞の続きを書いて歌にしてほしいと言う。

 

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プレイヤーも主人公もとにかく彼女のことが好きになるまでが中盤のストーリー。




終盤

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どこで書けば良いか分からなかったので放置していたが、最初に作った曲をナシにして新曲をバンドコンテストで発表する事に不満げなベースバンドコンテストまで三日しかないのに新曲が出来てもいないからぶっちゃけ当然である

加えて彼は主人公が片桐彩子のことを練習中に話すことにも不満げな様子

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バンドメンバーがこんな悲しい表情を浮かべてたらそりゃあそう。無論、片桐彩子と知り合ってから彼女と下校することは無い。この辺で彼女推しのプレイヤーが暴れ出すのも頷ける。

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ついにバンドが崩壊する。

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なんにも分かっていない主人公に答え」を教えるバンドのリーダー。主人公に対して優しくこのままじゃダメじゃないのかと諭す。

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意を決してバンドの後輩の女の子と向き合う主人公。

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絵だけでは伝わらないが、主人公は片桐彩子が好きだから、君のことは好きになれないと言おうとするが、それを遮るかのように主人公との思い出を話す彼女。

 

初めてのライブ直前で彼女が手を怪我した時に真っ先に気づいて気遣ってくれた話を語る姿は正直胸が痛む

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どうして彼女がダメなのか説明しようがなくて言葉に詰まる。

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初見だと無事バンドコンテストを迎えられるビジョンが全く立たなくて絶望する

 

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一方で、片桐彩子ともここ数日は全く上手くいっていない主人公。実は彼女、バンドコンテストの日に留学するので彼女の気持ちを考えれば当たり前であるが、主人公はそのことを知らないため困惑する。

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バンドは崩壊するし、片桐彩子とは上手くいかないし、新曲のサビは思い浮かばないし、もうどうしようもない主人公。無論プレイヤーもかなり絶望している。

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バンドコンテスト二日前なのに、バンドメンバーが二人しか来ない始末

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自宅でも絶望している片桐彩子からデートのお誘いが来る。主人公のメンヘラ具合がもうすごいのだが、バンドが崩壊していて明日の予定がないため承諾する。

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デートの帰り道、思い出の公園で新曲について聞かれた主人公は「もういらなくなったんだ」と答えた直後の場面。主人公を励ます目的と、今日デートした目的としてプレゼントがあると言う。

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それは、作曲をする主人公の水彩画だった。

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ーー 俺、書くよ、最後まで…あの歌。この絵のおかえしにはならないけど…でも、彩子がいたから…ここまでできたんだ。

ーーだから…完成したら一番に聞いてほしい。彩子の…君のために書いた歌なんだ。

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ーーバカ。なんで最近会わなかったって思ってるのよ
ーーI can't see you any more...

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走り去る彩子。残念ながら主人公は最後に囁かれた言葉の意味がわからない

が、明日のバンドコンテストがどうであれ、新曲だけは完成させようと一念発起した主人公は徹夜で曲を完成させる。

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サビのフレーズは三択なのだが、選んだフレーズによってエンディングテーマの曲調が変わる

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主人公は出来た曲に、いつか片桐彩子が途中まで作詞していた詞の続きを書く。

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約束通り一番に完成した曲を聞いてもらうため、彼女の家のポストに完成した譜面を投げ込む。

エンディング

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バンドコンテスト当日。主人公は散り散りになったバンドメンバーを探すために奔走する。

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発見した拓実に譜面を渡して、自分の気持ちを伝え走り去る主人公。

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最後のバンドメンバー美咲鈴音は、前日彩の元ボーカルの先輩に会っており立ち直っていた。

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バンドが復活したと思いきや、親友から片桐彩子が留学することを知らされるバンドコンテストに参加するか、空港に片桐彩子を見送りに行くか迷う主人公で会ったが、ベースのイケメンの一言で空港へ向かう。

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空港へ向かうタクシーの中で、ギターケースに手紙が挟まっている事に気づく主人公。

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この手紙があなたに読まれている頃には、私はもう日本にいないでしょうね。

なんて言ったらいいか…適当な言葉が見つからないけど…とりあえずゴメンナサイと言っておきます。ゴメンナサイ。

私はパリに留学する事にしました。あなたと離れるのは本当に残念だけど…

実は最近、ずーっとずーっと悩んでたんだけど…やっぱり留学することに決めました。

少しくらいは、あなたも寂しがってくれるって自信持っていいわよね? 

だから…ゴメンナサイ。

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日本の最後に素敵な思い出をくれて本当にありがとう。…もっと早く出会えていたら、もっと一杯思い出を作れたのに…。それだけが心残りです。

留学すること、黙っていてごめんなさい。だって…あなたが行くな、って言ったら、きっと行けなくなってしまうから…。

最後の何日間かなんて…あなたの顔を見るたびに…どれだけ…私が泣きたくなるのを我慢していたかあなたには分からないでしょう。

それじゃ、さようなら。新しい歌、期待しているわ。

 

P.S.卒業式の日にいないと思うから、今言っておくわ。…好きよ。

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しかし、主人公が空港に着いた時には既に離陸済みであった。

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おもむろにギターを取り出して弾きだすと歌い声が…

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実は彼女、飛行機に乗ってませんでした。やっぱり留学は卒業後にするとのこと。

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きらめき高校では告白は卒業式の日にするお約束があるので、愛の告白を書いた手紙は破り捨てられる

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告白が邪魔されるのもお約束ですね。

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バンドコンテストを主催している学院の御曹司が、飛行機でコンテスト会場を空港に移動させた模様。

f:id:hokkyo:20181224231937p:plain夕焼けの空港で、彩のラブソングが演奏される。

いろいろツッコミたいことはあるが、大団円で物語はエンディングを迎える。

 

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エンディングは主人公が作曲した曲が披露される

www.youtube.com

 

レビュー

万人受けするかどうかという観点で見ると★★★☆だが、の作品に最高評価をつけないと一生★★★★がつかないので最高評価とした。

主人公とヒロインがいくら会話を積み重ねても魅力が積もらないギャルゲーは無限に存在するが、会話をするほどに魅力が積もるギャルゲーは本当に数少ない。

 

ときめきメモリアルは大前提として、卒業式の日に女の子からの告白でハッピーエンディングを迎えるのがお約束である。

この物語はきらめき高校が持つ前述のお約束を魅力に変換しながら、既存のキャラクターの魅力を最大限に引き出した点が本当にすごい。

 

まあ、これだけストーリーを詳しく書いたらもう語ることは無いでしょう

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以上。

 

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