ほっきょんのブログ

ギャルゲレビュー用。★★★☆以上で名作

ギャルゲレビューその12;CLANNAD -クラナド-

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どうもこんばんわ。ほっきょんです。

今回紹介する作品はコチラ。

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オススメ度:☆☆☆(名作といわれているが…)

難易度:☆☆☆(難易度って概念あるのか?)

雰囲気:やや重め

プレイ時間:40時間(名作と言われたので最後までやりました)

CLANNAD|Key Official HomePage

 

注)本作は世間的に高評価だが、今回かなり辛口評価なので本作品を好きな人は注意。

以下、各ヒロインのレビューで各√の評価を行なっているためネタバレ注意

 

 

登場人物&レビュー

古河渚(ふるかわ なぎさ)

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メインヒロイン。学園の3年生。

病気で長期休学をしており一留して復学したものの学校に馴染めない少女。

彼女の夢は高校で演劇部を作りお芝居をすること。

 

一番最初に登場するヒロイン。なんの脈絡もなくアンパンとか言いだすので、あぁヤバいゲームツモったわって気分になる

 

筆者はアマチュア学生の演劇を100本は見てきたが、面白くなりにくいドラマの要素としてスクールカースト下位の人物にスポットライトが当てられる②ドラマの中でわざわざドラマを作る立場の人間の話を見せられるが存在し、彼女のストーリー両者に該当する。この手の話はマチュアが物語を作る上でありふれた話であるし、学校の雑魚が演劇部を作る苦労なんてどう考えても大したものではないのでその苦悩に全く共感できない。

彼女にとっての苦労は筆者にとっての苦労ではないから全く共感できないし、共感したいと思わせるだけの魅力がない

 

今回、なぜこの作品が☆☆☆☆なのかしっかり理解してもらいたいので以降の登場人物も同じ調子で評価していきます。

基本的には上記の①に該当する人間の話なんて興味がないってのが大きいだけですが。

 

 

伊吹風子(いぶき ふうこ)

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学園の一年生。誰もいない教室でヒトデを彫る女の子。

正体は二年前の入学式で交通事故によって意識不明になった今も入院している女の子。

木彫りのヒトデを学園内で配りながら婚約をした姉の結婚を祝う人を集めていく。

 

筆者が個人的に大事にしている傑作ドラマの条件に、物語の中で奇跡を起こして良いのは一度までというのがある。彼女のストーリーでは現実では起こり得ないことがポンポンと起こるのでご都合主義のドラマなんだなって感じ

百歩譲って病院から抜け出した少女の意識が一度しか行ったことがない学校に行くのは納得できるが、そこで全ての時間を木彫りのヒトデに費やす為の彼女のマインドが圧倒的に足りない。なぜ祝うためにヒトデを彫るのか、なぜ生徒に祝って欲しいのか、なぜ木彫りなのか、ドラマの中では殆ど語られることがなくヒトデは別になんでもいいんだなと思う

代表例として木彫りのヒトデについて語ったが、彼女の身の回りの人物についてもドラマとしての血と汗が通っておらず、いわゆる物語を完結させるためだけの要素、物語を完結させるためだけの登場人物、物語を完結させる為の小道具にしか見えなかった

 

これじゃ愛が見えない。

 

坂上智代(さかがみ ともよ)

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学園に編入してきた二年生。喧嘩がとても強い。

彼女のルートでは彼女と恋人関係になる。一見聞こえは良いが、恋愛関係に至るまでのプロセスを評価するならば、まあ最悪と言っても良い。本作は主人公視点の思考が飛び飛びでかつ地の文のテンポが悪いため、気がつけば恋人になっているような感覚。二人の男女が恋愛関係に至るまでの駆け引きや魅力の出し合いにウェイトを置いている筆者としてはマジで面白くない

また、恋人同士になった後の関係は欲求を前面に出したがる猿の交尾を見ているような感覚TPOをわきまえずキスをするシーンは本当に人間か疑うレベル。彼女が大事にしている価値観は何か、その価値観を生みだす為のエピソードは何なのか彼女の魅力が引き出されない。

彼女は学園の前の桜並木を守るために生徒会長になりたいそうだが、なぜ桜並木を守りたいのかあんまり伝わってこないし、そんなこと言う割には学校で彼氏と不純異性恋愛やってるから本当になりたいのか分からない。それが彼女のドラマの信念であるのならば、そのエピソードに命をかけて欲しい。

 

一ノ瀬ことみ(いちのせ ことみ)

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全国トップクラスの頭脳を持つ学園の三年生。

ことみのルートでは飛行機事故で亡くした彼女の両親の影を乗り越える。

初対面で粘土を食べさせられそうになった時このゲームやめようかと思ったが、彼女のストーリーは本作の中で最も良かった

彼女の成績が優秀である理由、当然のように書籍を切り抜く理由、序盤に描かれた彼女の特徴が物語を支えていて良かったように思う。

  

藤林椋(ふじばやし りょう)

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主人公のクラスの委員長。占いが好きな大人しい女の子。

後述の藤林杏とほぼ共通ストーリーであるため、そちらで併せて記載。

 

藤林杏(ふじばやし きょう)

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主人公の隣のクラスの委員長。藤林椋の双子の姉。スポーツ万能で男勝りな女の子。

彼女たち二人のルートでは、元から主人公に好意を持っていた椋との仲を杏が取り持ち恋人関係となる。その後、主人公に対する杏の気持ちに気づけば杏√、気づかなければ椋√になる

このストーリーでは主人公に対する彼女たちの恋心にウェイトが置かれる。しかしながら主人公の魅力がない上、彼女たちが主人公のどの部分に惹かれたのか描写が不足している

 

まず主人公について、彼は怪我でスポーツを挫折し授業をよくサボる不良という描写なのだが、どちらかというと落ちこぼれと表現する方が近い。彼の容姿に関する描写もなく、また思考や態度等もこれといって異性受けするものとは言えない。客観的に彼が学園内で無条件に好意を向けられるとは考えにくい。

次に双子の姉妹について、主人公との間柄はクラスメイトとクラス委員長にしかすぎない。彼女たち目線からすれば何故多数いるクラスメイトから主人公を選んだのか説明が不十分だし、主人公目線からも特に杏に対する恋愛感情が芽生える描写が足りていない

 

俺が見たいのが人間のドラマであって、脚本家に無理やり恋をさせられる操り人形のドラマではない

 

宮沢有紀寧(みやざわ ゆきね)

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資料室によくいる女の子。

彼女は主人公含め資料室にやってくる不良に対して優しくおもてなしを行うが、その理由は交通事故で死んだ兄がいた世界を知るため。

主要ヒロインの中で彼女のストーリーが最も短いのだが、物語の中で一番人間らしさが見えたのは彼女。小学生の男の子とのエピソードは彼女の内面を考えることができて面白かった。

ただストーリー自体はギャルゲという媒体の必ず完結する特性と、何も起こらないような平凡な資料室の日常相性が非常に悪く、無理がある

ストーリーの中盤以降、死んだ兄に似ているということで彼女と主人公は急速に関係性を深めていくがマインド面のエビデンスしか提示されず、少なくても筆者は納得することができなかった。

 

総評

ほっきょんがギャルゲをやる理由は二つ。

①自身の全身全霊を尽くして一人の女性を落とす

②純粋に面白いドラマに触れるチャンスを得る。

本作は①の要素がないため②でしか評価できないが、ドラマにスポットライトを当てた場合、本作は感動できる要素、面白い要素が無かったように思う。一人一人のキャラクターの要素は備えているし、それを表現しきるだけの物語の時間的猶予は存在するが活かされることなく終わってしまっている。要するに日常ストーリーをいくら積み重ねても彼ら彼女らの魅力が引き出されていない

 

他のゲームでは物語が面白くない場合ストーリーがありませんでしたでテキトーに済ませるが、今回は名作に☆☆☆☆をつけたので具体的に何に対して不満を感じているのか記載しました。

 

以上。